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【危険物倉庫・工場】とは?建設の裏側:知っておくべき基準と法令のこと

2025.10.6

  • 社内ブログ
危険物

「倉庫」と聞くと、様々な製品を一時的に保管する場所というイメージが一般的ですが、中には保管方法を間違えると大きな事故につながる危険な物品も存在します。例えば、ガソリンなどの石油製品は、取り扱いを誤ると大規模な火災を引き起こす可能性があり、一般環境での大量保管は法的に禁止されています。

このような危険性のある物質を安全に保管するためには、特別な許可を得る必要があり、そのための施設が「危険物倉庫」です。危険物倉庫は、重大な事故を未然に防ぐため、建物の構造や基準が厳格に定められています。

この記事では、様々な危険物と、危険物倉庫に関する基礎知識についてご紹介します。

危険物とは?

工場や倉庫を運営する上で、特に注意しなければならないのが「危険物」の存在です。

「危険物」と聞くと、毒薬や劇物をイメージする方が多いかもしれません。しかし、消防法で定められている危険物は、それだけではありません。

消防法第2条第7項では、危険物を以下のように定義しています。

危険物とは、別表第1の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するものをいう。

引用:消防庁資料より

つまり、消防法で危険物と定められているものは、引火性や発火性があり、火災や爆発、中毒などの災害につながる危険性のある物質のことなのです。

【消防法】倉庫・工場の消防設備:種類、設置基準、点検・報告義務をわかりやすく解説

次の項目では、消防法で定められている危険物の種類について詳しく見ていきましょう。

危険物倉庫に保管できる危険物の種類

危険物倉庫に保管できる危険物は、消防法によってその種類と性質が細かく定められています。これらの危険物は、その危険度や性状によって第1類から第6類に分類され、それぞれ保管方法や注意事項が異なります。

第1類:酸化性固体

  • 性質: 他の物質を強く酸化させる性質があり、可燃性と混合したときに、熱・衝撃・摩擦などにより、きわめて激しい燃焼を起こさせる。
  • 例: 塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物、硝酸塩類、過マンガン酸塩類など

第2類:可燃性固体

  • 性質: それ自体が燃えやすい、もしくは40度未満などの低温でも引火しやすい性質がある。
  • 例: 硫化りん、赤りん、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウムなど

第3類:自然発火性物質および禁水性物質

  • 性質: 空気、水に触れることで発火もしくは可燃性のガスを発生させる性質がある。
  • 例: カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム、アルキルリチウム、黄りんなど

第4類:引火性液体

  • 性質: 燃えやすい液体のこと。引火点によってさらに細かく分類される。
  • 例: 特殊引火物(ジエチルエーテル、二硫化炭素など)、第一石油類(ガソリン、ベンゼンなど)、アルコール類(メタノール、エタノールなど)、第二石油類(灯油、軽油など)、第三石油類(重油、潤滑油など)、第四石油類、動植物油類など

第5類:自己反応性物質

  • 性質: 加熱分解などによって爆発の恐れがある固体や液体。通常、物が燃焼するには酸素が必要ですが、このカテゴリーの物質は分子内に酸素を含んでおり、空気に触れなくても燃焼が進む。
  • 例: 有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物、アゾ化合物など

第6類:酸化性液体

  • 性質: 第一類と同様に、他の物質の燃焼を促進させる性質をもつ。刺激臭を有する物質が多い。
  • 例: 過塩素酸、過酸化水素、硝酸など

危険物倉庫とは?

それでは次に、危険物倉庫について、基礎的なことからご紹介します。危険物倉庫は、その名前からも分かるように、『危険物』と定められているものを保管するための施設を指しています。なお、この基準となる法律は『消防法』によって定められており、法文中には、危険物を取り扱う施設について、その詳細が定義されています。

危険物を取り扱う施設

危険物を取り扱う施設は、大きく分けて以下の3種類に分類できます。

  1. 製造所: 危険物を製造するための施設です。
  2. 貯蔵所: 指定された量以上の危険物を保管する施設です。
  3. 取扱所: 危険物を販売したり、給油したり、移送したりする施設です。

それぞれの施設について、もう少し詳しく見ていきましょう。

1.製造所

製造所は、危険物を製造する施設です。

例: 火薬製造所、石油化学工場など

製造所では、危険物の製造に関する厳しい基準が設けられています。

2.貯蔵所

貯蔵所は、指定された量以上の危険物を保管する施設です。

例: 危険物倉庫、石油タンクなど

貯蔵所は、保管する危険物の種類や量によって、様々な種類があります。

3.取扱所

取扱所は、危険物を販売したり、給油したり、移送したりする施設です。

例: ガソリンスタンド(給油取扱所)、危険物販売店(販売取扱所)、パイプライン(移送取扱所)など

取扱所は、扱う危険物の量や種類によって、さらに細かく分類されます。

危険物を取り扱う施設は、上記のように分かれており、この中でも危険物倉庫は2つ目の『貯蔵所』に該当するものとなります。

危険物倉庫の設置・運営には、法令で定められた厳格な基準遵守が必須です。施設の設備だけでなく人員体制も整え、消防署等関係機関への申請・許可取得も必要です。各自治体の条例・規則も考慮する必要があり、専門知識や行政との連携が不可欠です。危険物による事故防止のため、専門家への相談が必須です。危険物倉庫建設は専門業者に相談し、適切な設計・施工を行いましょう。少量危険物保管には危険物貯蔵庫があり、ユニット型で対応可能な場合もありますが、法令に準じた設備が必要です。指定数量を超えると消防法規制対象となるため、保管量と指定数量の関係を正しく理解し管理しましょう。

危険物屋内貯蔵所を設置するには?許可申請の流れと注意点

危険物倉庫は、その名の通り危険物を保管するための施設であり、その建設・使用には法的な規制が数多く存在します。

通常、危険物倉庫の建設から使用開始までは、以下の手順で進められます。

  1. 事前協議: 建設予定地の所轄消防署と事前協議を行い、法令や技術的な基準、必要な手続きなどを確認します。
  2. 設置許可申請: 消防署に危険物倉庫の設置許可を申請します。申請には、設計図書や危険物の種類・量などの詳細な情報が必要です。
  3. 審査: 消防署による審査が行われます。審査では、施設の構造や設備、保管方法などが法令に適合しているか確認されます。
  4. 設置許可証交付: 審査に合格すると、消防署から危険物倉庫設置許可証が交付されます。
  5. 建設工事: 設置許可証に基づいて、危険物倉庫の建設工事を行います。
  6. 完成検査申請: 建設工事が完了したら、消防署に完成検査を申請します。
  7. 完成検査: 消防署による完成検査が行われます。検査では、施設の構造や設備が設計図書通りに完成しているか、法令に適合しているかなどが確認されます。
  8. 完成検査済証交付: 完成検査に合格すると、消防署から危険物倉庫完成検査済証が交付されます。
  9. 使用開始: 危険物倉庫完成検査済証が交付されれば、危険物倉庫の使用を開始することができます。

上記は一般的な流れであり、危険物の種類や量、施設の規模などによって手続きが異なる場合があります。

危険物倉庫建設の基礎知識:知っておくべき基準

消防法で定められた危険物倉庫建設の基準には大きく分けて以下の項目があります。

危険物倉庫建設の際の規模や構造の基準

・軒高:6m未満で平屋であること
・床面積:1000㎡以下であること
・屋根:軽量金属板等の不燃材料を用いること
・壁や梁:耐火構造であること
・床:耐火構造であること
・窓:網入りガラスにすること
・窓や出入り口には防火設備を設けること
・床面に水が侵入・浸透しない構造にすること

危険物倉庫建設の際の設備の基準

・避雷設備の設置 (指定数量が10倍以上の場合)
・蒸気排出設備の設置 (引火点70℃以内の危険物)
・危険物の取扱いに必要な明るさ・採光の確保

危険物倉庫建設の際の位置の基準

・保安対象物に応じた保安距離を確保すること

保安距離は、特定の施設や設備の周囲において、
安全を確保するために確保される必要のある一定の距離を指します。

・住居として使用される建築物および工作物(製造所の敷地を除く):10m以上
・学校、病院、劇場その他多数の人を収容する施設で、総務省令で定めるもの:30m以上
・重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡もしくは重要な文化財として指定された建造物や、重要美術品として認定された建造物など:50m以上
・高圧ガスや他の災害を引き起こす可能性のある物を貯蔵または取り扱う施設で、総務省令で定められた距離に従う
・特別高圧架空電線(使用電圧が7,000V超、35,000V以下):水平距離3m以上
・特別高圧架空電線(使用電圧が35,000Vを超):水平距離5m以上
参考:危険物の規制に関する政令|e-GOV法令検索

・危険物の指定数量倍数に応じた保有空地を確保すること

■壁・柱および床が耐火構造の空地

指定数量の倍数5以下:0m
指定数量の倍数5以上10以下:1m以上
指定数量の倍数10以上20以下:2m以上
指定数量の倍数20以上150以下:3m以上
指定数量の倍数50以上200以下:5m以上
指定数量の倍数200以上:10m以上

■壁・柱および床が耐火構造以外の場合の空地の幅

指定数量の倍数5以下:0.5m以上
指定数量の倍数5以上10以下:1.5m以上
指定数量の倍数10以上20以下:3m以上
指定数量の倍数20以上150以下:5m以上
指定数量の倍数50以上200以下:10m以上
指定数量の倍数200以上:15m以上ます。

参考:総務省消防庁

これ以外にも危険物倉庫を建設する際には「建築基準法」「危険物の規則に関する政令」「火災予防条例」など様々な専門的で複雑な法令を理解しておく必要があります。また、全ての専門知識を理解したうえでも危険物関連の法令の運輸においては行政庁の指導内容に幅がありますので様々な面での知識と経験が必要になります。

危険物倉庫建設の計画・設計段階でしっかりと行政指導の主旨や倉庫の特性を理解していなければ、法令の主旨にそぐわない危険物倉庫ができてしまう事になります。

なお、法律で制約されているものだけでなく、各自治体が定める条例によって変わりますので、各自治体で定める条例もあわせて確認しましょう。

危険物倉庫の建設に関わる主な法令

危険物倉庫を建設する際には、多くの法令による制約があり、取り扱う危険物に合わせて届出書類や監督官庁が異なるため、正確な把握が必要です。

1. 都市計画法

  • 用途地域や臨港地区など、危険物の製造や貯蔵を規制している地域地区を定めています。具体的な規制は他の法令で規定されています。

2. 建築基準法

  • 危険物の製造や貯蔵量を用途地域で規制しています。工業地域と工業専用地域以外は規制があります。

3. 消防法

  • 危険物を定義し、指定数量以上の危険物の貯蔵及び取扱いの制限等を設けています。
  • 指定数量未満の危険物の貯蔵や取り扱いについては、火災予防条例等の市町村の条例で制限を設けています。
  • 詳細な規定は「危険物の規制に関する政令」で定められています。

4. 港湾法

  • 臨港地区や臨港地区内の土地利用に関する区分(商港区、工業工区等)を規定しています。
  • 臨港地区には建築基準法の用途地域の規定が適用されず、港湾法に基づく市町村条例によって臨港地区内の区分や建設できる建築物の用途を指定しています。
  • 大阪市では、商港区やマリーナ港区、修景厚生港区では危険物置場を建設することはできません(少量危険物庫を除く)。

5. 危険物の規制に関する政令

  • 消防法で危険物の部分について、必要な規定を定めたものです。

6. 火災予防条例

火災の予防に関する事項のうち、消防法の委任を受けたものや、地方的な事情により必要とされるもの等について、各市町村において制定されたものです。

危険物の保管に関する規制

日本では、消防法によって危険物が定められており、それらを取り扱うためには、厳しい基準を満たした上で許可を得る必要があります。

したがって、一般的な倉庫では、大量の危険物を保管することはできません。

しかし、一般家庭でも石油ファンヒーターの燃料を保管したり、企業によっては溶接や金属の切断のために危険物に該当する物質を貯蔵している場合があります。

このような場合、一般家庭であっても、保管のための許可を取らなければならないのでしょうか?

少量危険物

実は、危険物を取り扱う場合でも、ごくわずかな量であれば許可はなしに保管することも可能です。

具体的な危険物の量に関しては、まず消防法が定める「指定数量」を知る必要があります。

指定数量とは、危険物の危険性を考慮して政令で規定された量のことで、危険物の種類によって異なります。

指定数量を超えて危険物を取り扱う場合には、危険物取扱者などの資格取得者や基準を満たす貯蔵庫を用意するなど、様々な規制を受けます。

しかし、「指定数量の5分の1以上」であれば、「少量危険物」に分類されることになり、資格なしでも取り扱いが可能となります。

ただし、「消防署に届出を出した倉庫」「貯蔵庫の周りに1m以上の保有空地を作る」等の法律に則って保管する必要があります。

指定数量未満の危険物

つまり、危険物が「指定数量の5分の1未満」であれば、一般の倉庫などでも危険物を扱うことができるようになるのです。

ちなみに、ガソリンの「指定数量」は200L、灯油・軽油は1,000Lなど、品目によって異なります。

危険物倉庫・工場 まとめ

危険物倉庫は、保管物の特性上、火災や爆発を防ぐため消防法等で厳格な基準が定められています。これらの法令は専門的で複雑なため、建設には専門業者への依頼が不可欠です。堀健は、豊富な経験と専門知識に基づき、法令に適合した安全な倉庫を、依頼主のニーズに合わせて設計します。危険物倉庫建設をご検討の際は、ぜひ堀健にご相談ください。


気になられた方はこちらまでお問い合わせお待ちしております。

大阪府岸和田市を拠点とする㍿THINKA(シンカ/旧社名:株式会社堀健)は、大阪府内を中心に、倉庫・工場・大型施設・店舗・事務所・公共施設などの新築、リフォーム、修繕を手掛ける建設会社です。特に倉庫・工場の建設に力を入れており、豊富な施工実績をもとに、計画・設計から施工まで一貫して対応しています。

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